サブリエル 冥界の扉(ガース・ニクス 作、原田勝 訳)

 表紙の絵がすてきで、ずっと読みたいと思っていた作品。ようやく手に取りました。いわゆるダークファンタジーもの。あまりこういうのを読み慣れていない人には、とっつきにくいかもしれません(わたしも)。専門用語も多いし(ネクロマンサーってわかりますか?)、独特の世界が築かれているので。でも、3〜4章まで読み進んだら、もうとまらなくなります。そこまでは、初めて訪れた国の慣習をおさらいしているような感じで読んでいけばいいのだと思います。 

サブリエル―冥界の扉〈上〉 (古王国記)

サブリエル―冥界の扉〈上〉 (古王国記)

 
サブリエル―冥界の扉〈下〉 (古王国記)

サブリエル―冥界の扉〈下〉 (古王国記)

 

 サブリエルは魔法に満ち満ちた古王国出身ですが、隣のアンセルスティエールの寄宿学校に通っています。ようやく卒業のときを迎えたものの、古王国で最も力を持つ魔術師であるはずの父親、アブホーセンの身に何かよからぬことが起きたと知り、4歳のときに離れた古王国に入り、父の救出を試みるのですが……。

 得体の知れないモゲット(下巻表紙のふわふわの白猫)、タッチストーンというこれまた得体の知れない男性と出会い、旅を続けるサブリエル。ファンタジーとして細かく作り込まれた世界観や面白さはもちろんのこと、サブリエル自身の成長や気持ちの揺れが丁寧に描かれていて、何度読んでも楽しめます。淡い恋愛要素もあり。

 もちろんこれ自体は完結しているのですが、最後まで読むとどっぷりと古王国にはまってしまっているので、シリーズの続きが読みたくなること間違いなしです。

 

ライラエル―氷の迷宮〈上〉 (古王国記)

ライラエル―氷の迷宮〈上〉 (古王国記)

 
ライラエル―氷の迷宮〈下〉 (古王国記)

ライラエル―氷の迷宮〈下〉 (古王国記)

 

 

アブホーセン―聖賢の絆〈上〉 (古王国記)

アブホーセン―聖賢の絆〈上〉 (古王国記)

 
アブホーセン―聖賢の絆〈下〉 (古王国記)

アブホーセン―聖賢の絆〈下〉 (古王国記)