子犬たちのあした(ミーガン・リクス 作、尾高薫 訳)
地下鉄の構内で、さみしい瞳をしてこちらを見ているお母さん犬と子犬が心に残る想定の一冊。
タイトルのとおり、第一次世界大戦が始まったころのイギリスを舞台にしています。主人公は、十二歳のエイミー。戦争に行くことになったお兄さんのジャックに飼い犬ミスティのお世話をたのまれるのですが、なんとドイツ軍の空襲にびっくりしたミスティは家から逃げ出してしまいます。お腹が大きく、もうすぐ子犬が生まれるところなのに……。どこを探してもミスティは見つからず、エイミーは落胆します。
ところが実際は、ミスティは家からほど近い地下鉄の駅に逃げ込んでいて……
ミスティの捜索がきっかけでエイミーと知り合いになった動物保護団体(ナルパック)のメンバーたちや、地下鉄で暮らしている元兵士のダニエルなど、いろいろな人が登場します。
戦争の中でも動物たちを気にかけ、その安全を守るよう行動した人々がこんなにもいたのだという思いで胸が熱くなります。
犬や猫が好きな人には特におすすめです。