2021-01-01から1年間の記事一覧

王国の鍵 アーサーの月曜日(ガース・ニクス 作、原田勝 訳)

こちらは『サブリエル』と同じガース・ニクスの作品でも、もう少しライトな雰囲気の1冊。実はコロナ禍の状況を彷彿とさせる設定で、「睡眠ペスト」というインフルエンザのような謎の症状が蔓延する社会を描いています。何百年も前のペストがモチーフになって…

くまのパディントン(マイケル・ボンド 作、松岡享子 訳、ペギー・フォートナム 絵)

こんなにかわいかったんだ、としみじみ考えながら読みました。子どもの頃も読んだはずのパディントン。そのころは、パディントンがしでかす失敗にハラハラドキドキしながら読んだ気がするのですが、今読み返してみると本当に可愛い、失敗なんて言えないよう…

コヨーテのはなし(リー・ペック作、ヴァージニア・リー・バートン絵、安藤紀子訳)

もともと長崎出版で一部のお話が出版されていたのを、すべて翻訳して徳間書店から再出版したという形のようです。 コヨーテのはなし アメリカ先住民のむかしばなし (児童書) 作者:リー・ペック 発売日: 2020/10/16 メディア: 単行本 もともとは1942年に出版…

サブリエル 冥界の扉(ガース・ニクス 作、原田勝 訳)

表紙の絵がすてきで、ずっと読みたいと思っていた作品。ようやく手に取りました。いわゆるダークファンタジーもの。あまりこういうのを読み慣れていない人には、とっつきにくいかもしれません(わたしも)。専門用語も多いし(ネクロマンサーってわかります…

モルモット オルガの物語(マイケル・ポンド 作、おおつかのりこ 訳、いたやさとし 絵)

たんぽぽをムシャムシャ食べているモルモットのオルガがとってもかわいい、小学生向けの本。 ペットショップにいたモルモットのオルガ・ダ・ポルガはつくり話をするのがじょうずで、自分の生い立ちやモルモットの歴史についてあることないことを語ってきかせ…

ひとりひとりのやさしさ(ジャクリーン・ウッドソン 作、E.B.ルイス 絵、さくまゆみこ 訳)

ジャクリーン・ウッドソンの絵本、2冊持っています。 まだ子どもには早いのですが、わかるようになったらぜひ読んでもらいたいと思って。『ひとりひとりのやさしさ』は学校に転校してきた、ちょっとかわった女の子を、別の女の子の視点から描いた物語。 ひと…

アドリア海の奇跡(ジョアン・マヌエル・ジズベルト 作、宇野和美 訳、アルフォンソ・ルアーノ 絵)

時間を忘れてしまうようなファンタジーです。作者はスペイン(バルセロナ)の方。 アドリア海の奇跡 作者:ジョアン・マヌエル ジズベルト 発売日: 1995/05/01 メディア: 単行本 ある日、ヨーロッパ一とうたわれる錬金術師ケレメンが修道院にやってきます。頼…

ゴーストソング(スーザン・プライス 作、金原瑞人 訳)

ゴーストドラム、ゴーストソング、ゴーストダンスの三部作の二作目です。『ゴーストドラム』があまりに面白くて、あっという間に読み終えてしまい、急いで『ゴーストソング』も読みました。 ゴーストソング (ゴーストシリーズ 2) 作者:スーザン プライス 発…

ページを繰る手が止まらなくなる『ゴーストドラム』(スーザン・プライス 作、金原瑞人 訳)

こちら、同じタイトルで1990年代に福武書店から発売されていたのですが、2017年にクラウドソーシング式の出版社サウザンブックスから改めて出版となった一冊です。 しかも、こちらは三部作の一作目なのですが、ありがたいことに三冊すべてが出版されました。…

弟の戦争(ロバート・ウェストール 作、原田勝 訳)

湾岸戦争が起こっていたとき、わたしは幼稚園か小学校に通っていました。まだ小さい子どもで、戦争の意味もよくわからなかったと記憶しています。ある日、突然テレビやラジオのニュースで、クウェートやイラクの様子が報道されるようになり、両親とバスに乗…

人とちがうあなたのままで大丈夫だと教えてくれる、『失敗図鑑』(大野正人 作)

たしかKindle Unlimitedで目に入り、読んだ本です。子ども向けのノンフィクションで、本屋さんではどの辺に並んでいるんだろうとふと気になりました。伝記かな? 装丁の鮮やかな黄色も目を引きますし、いろんなひとが「アチャ〜」となっているイラストも楽し…

わたしは、わたし(ジャクリーン・ウッドソン 作、さくまゆみこ 訳)

日本で暮らしていると、あまり聞くことのない「証人保護プログラム」が題材となったお話です。Black Lives Matterについて知りたい方にもおすすめ。 わたしは、わたし (鈴木出版の海外児童文学―この地球を生きる子どもたち) 作者:ジャクリーン ウッドソン 発…

図書館にいたユニコーン(マイケル・モーパーゴ 作、おびかゆうこ 訳、ゲーリー・プライズ 絵)

またまた、モーパーゴです。そういえば、こんな戦争の話もあったな、あんなのもあったなと思い出して、色々再読していました。 こちらは「本」や「図書館」が出てくるので、特にお気に入りの一冊。 図書館にいたユニコーン (児童書) 作者:モーパーゴ,マイケ…

子犬たちのあした(ミーガン・リクス 作、尾高薫 訳)

地下鉄の構内で、さみしい瞳をしてこちらを見ているお母さん犬と子犬が心に残る想定の一冊。 子犬たちのあした: ロンドン大空襲 (児童書) 作者:リクス,ミーガン 発売日: 2019/01/19 メディア: 単行本 タイトルのとおり、第一次世界大戦が始まったころのイギ…

ねこと王さま(ニック・シャラット 作、市田泉 訳)

かっわいい! ちょっとおとぼけ風味なイラストが目を引く作品です。表紙だけではなく、中にもイラストがたくさん(ほとんどすべてのページにイラスト入り)。ほのぼのした感じが作品の持ち味をよく表していると思います。目も口も「ちょんちょん」のシンプル…

賢女ひきいる魔法の旅は(ダイアナ・ウィン・ジョーンズ 作、田中薫子 訳、佐竹美穂 絵)

ダイアナ・ウィン・ジョーンズ、実は子どもの頃にはそんなに読んだことがありません。ちょうどファンタジーをあまり読まなくなって、大人向けの小説ばかり読むようになった頃に色々と翻訳されていたんだと思います。そんなわけで、大人になってから読んだフ…